ハイコーキのリチウムイオン電池
日下くん日下くん

みなさまこんにちは。
アトラスのクサカです。
本日は社長に『リチウムイオン電池ってどんな電池なのか分かりやすく説明してみて』との難題を振られましたので私なりに説明させて頂きます。

リチウムイオン電池とは?

リチウムイオン電池は、プラス極とマイナス極の間にリチウムイオンが動く事で、充電や放電ができる電池のことです。

放電は一次電池、充電が繰り返しできる二次電池に分類されています。

一次電池とは?

アルカリ電池

アルカリ電池やマンガン電池など一括りに乾電池と呼ばれるものが一次電池となります。

二次電池とは?

ノートパソコンにも使用されてるリチウムイオン電池

鉛蓄電池やリチウムイオン電池などが代表的です。

ノートパソコンや携帯電話等のバッテリーにも使用されています。

電動工具などのバッテリーも該当します。

ちなみにリチウムイオン電池は、1991年に日本で工業製品として実用化されました。

それ以降は毎年リチウムイオン電池の使用は増大しており、使用目的も拡大しております。

リチウムイオン電池の特徴は?

マキタの40Vmaxバッテリー

繰り返し充電ができる二次電池はリチウム電池のほかに、自動車のバッテリーで有名な鉛蓄電池や、ニッカド電池、ニッケル水素電池等があります。

鉛蓄電池は大きく重い物が多いですが、コストが非常に安く大電流の放電が可能なことから、令和の世でも幅広くしようされています。

しかしながらモバイル機器の普及が拡大しコンパクトな二次電池が求められるようになり、最近では軽くて小型化が可能なリチウムイオン電池が主流になっております。

リチウムは自然の4つの自然の鉱物からできているそうです。

その4つの鉱物は、水素(H)、ヘリウム(He)、リチウム(Li)、ベリリウム(Be)です。

リチウムイオン電池の用途は?

リチウムイオン電池は軽量、小型、高電圧の特性を活用し、スマートフォン(携帯電話)、ノートパソコン、デジカメ等には欠かせない電池になってます。なお自動車業界におきましては、ガソリン車に変わる、電気自動車の電池としても活用されています。

普段は、全く気にしていなかったのですが、携帯電話の情報端末を動かす為には相当量の電力を要するそうです。その携帯電話を長時間利用できるのもリチウムイオン電池と呼ばれる小さく軽量な大容量電池のおかげです。

また、最近ではドローンや人口衛星においても搭載されているようです

なぜリチウムイオン電池が使われる事が多いのか?

ハイコーキのプロ用カラー

ここ数年でリチウムイオン電池が、多用されるようになりましたが、これには大きな理由があります。

まずは、廃棄の際の有害物質が少ない事です。これって凄いですよね。

次にエネルギーの密度が高くて高電圧を維持しやすくできてます。

また自己放電が少ないです。

最後に、メモリー効果が発生しない事です。

メモリー効果ってなに?

※メモリー効果とは、バッテリーの残量が残っているのに、継ぎ足し充電をしてしまうと、充電を始めた付近で一時的ですが電圧が低下してしまう状態の事をいいます。何度も継ぎ足し充電を行うと、状態は顕著に現れバッテリーの最大容量が低下したような感覚になります。

メモリー効果が発生してしまうバッテリーに、ニッカド電池やニッケル水素電池があります。

これらは継ぎ足し充電に適していない為、容量を使い切ってから充電を行わないといけません。

それに比べてリチウムイオン電池は残っている容量の上から継ぎ足し充電できます。

その便利な電池は、電動工具以外にも、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ、携帯ゲーム機器等に採用されています。

やはりリチウムイオン電池って凄いですね。

安全性について

リチウムイオン電池は小型化する電子機器や大容量と、安全性が求められる自動車搭載用バッテリー等で需要が急速に広がり、重要な産業分野に成長しました。

リチウムイオン電池の蓄電容量や充電の速さが高まる一方で、発熱、発煙、発火等の決して軽視できないリスクがある事も事実です。

その為、新たな開発、品質においても安全性の確保が最重要だと感じます。

まめ知識

2019年に旭化成名誉フェーロの吉野彰氏ら3人がノーベル化学賞を受賞したリチウムイオン電池ですが、自動車に搭載する大型な物は安全性に不安もあるそうです。安全性、信頼性の飛躍が今後の問題かもしれません。また最近は電気自動車が増えてきておりますが、やはりバッテリーコストや充電時間等の問題があげられます。しかし日本の技術があればその壁を乗り越え世界一の電気自動車を作ってくれるでしょう。

バッテリーの寿命は?

パソコンやスマートフォンのバッテリーが持たない要因のひとつに『へたり』が上げられるようです。へたりとはバッテリーが劣化してしまい、購入時に比べ容量が減ってしまった状態のことをさすようです。

たしかにバッテリーは充電すれば、また使えるようになりますが、何度も充電を繰り返すと劣化してくる消耗品です。

バッテリーは充電と放電をくり返すうちに内部において化学反応等が発生して劣化が進みます。

一般的には300~500回位の充電と放電を行う事によって容量が約半分になるといわれてます。

※充電から放電までを1回と考えます。

少し充電が減ったからといってむやみにやたらに充電を行ってしまうと回数を減らしてしまいます。

容量がある場合には充電を控えて、電動工具が動かなくなる直前で充電するのが好ましいです。

かといって充電を控えすぎて、電動工具の使用中にバッテリーが切れてしまっては作業に支障がでますのであまり気にするのも問題です。

HIKOKIマルチバッテリー

最近では充電回数1500回のバッテリーもあると職人さんがおっしゃってました。

場合によってはこのようなバッテリーを購入しても良いのでは?

各ユーザー様の使用方法によって異なりますが、毎日充放電を行っていると、約1年半程で容量が半分になってしまう計算です。

また、リチウムイオンバッテリーは、熱に弱いという特性があります。

長時間、異常な高温な状態にさらされますと急激に劣化が進んでしまいます。

常温における劣化のペースが数パーセントの場合に比べ、40℃~50℃辺りの高温になると、数十パーセントに達する事もあるようです。

真夏の太陽

真夏の屋外や、自動車のダッシュボード等に長時間放置した場合には劣化が進んでしまう可能性がかなり高いです。

リチウムイオン電池の寿命は3,500サイクルで6年~10年位です。使用方法や使用環境において差が出る可能性は多いにあります。

電動工具のバッテリー平均寿命も使用方法と保管の仕方によって全然違ってきます。

プロの職人さんが、毎日現場で電動工具のバッテリーを使い切る位の作業を行うと寿命は2年~3年位です。

軽作業でバッテリーの残量を使い切らない場合は4年~5年位です。

私のような素人で週末のDIY作業で使う位のレベルですと寿命は更に長くなります。

もちろん、電動工具のバッテリーも放電により少しずつ減っていくものなのですが、寿命に近づくと、新品のころのような長持ちはしません。

バッテリーの容量が少なくなってしまうと電圧が低くなってしまうので、電動工具の力も弱くなってしまい作業の効率や質が下がってしまいます。

電動工具の寿命を長持ちさせたい場合には、多少高くてもプロ仕様の製品を購入するべきです。

もちろんある期間が過ぎたからといって、100%あった最大容量が一気に70%に減少する訳ではありません。

充放電を繰り返していくうちに少しずつ減っていきます。

電動工具におきましても過度な充放電を避けるようにお願い致します。

電動工具のバッテリーの故障について!

充電時間のカバーはバッテリの予備を用意する

電動工具のバッテリーが故障する要因の中で多いのが、バッテリーの内部に水が浸水することによるバッテリーセルの破損です。

これは、バッテリーの金属端子と冷却口部分から水や湿った木くず等が侵入してしまい、バッテリー内部のバッテリーセルそのものを破損させてしまうものです。

これは水が侵入したからとすぐに壊れる訳ではありません。

水が要因となって、ゆっくりと内部放電を起こして、最後には破損をしてしまう事になります。

一回水が侵入してしまい、バッテリーセルが壊れてしまうと復活はできません。

残念ながら、完璧な防水機能のついたバッテリーは発売されていない為、水を使用する作業場では、電動工具の取り扱いに注意をしないといけません。

電動工具が頑丈だからといって手荒に扱わないようにしてくださいね!

この前、バッテリーを投げている方を見ましたが、高所からの落下や衝撃等もバッテリーの故障や破損の原因となってしまいます。

道具は大事にあつかって下さいね!

通常の落下でバッテリーが破損や故障する心配は、ほとんどないと思いますが、稀に落とした事による衝撃でバッテリーセルが破損してしまう場合があります。

この破損では、バッテリーのセル自体が潰れしまったり、バッテリー同士をつなげている溶接部分が外れてしまうことがほとんどです。

分解をさないで、購入した販売店やメーカーに修理を依頼してください。

バッテリーの故障かな?と思う前に

工具の故障

購入したばかりの電動工具なのに動かない!!そんな経験をした事はありませんか?

もしかしたら、バッテリーの初期不良が考えれます。

バッテリーの初期不良としては、電子回路の不良、バッテリーのセルの不良などです。

ユーザー様がバッテリーの故障の修理を行う事は、非常に危険ですので絶対にやめて下さい。

購入してすぐにバッテリーが使えなくなった場合は販売店様で修理や交換をお願いしましょう。

電動工具のバッテリー処分方法

電動工具のバッテリーの処分方法ですが、これがなかなか難しいです。

この難しい理由が回収可能な自治体と回収不可能な自治体があるという事です。

皆様がお住まいの自治体に確認をしてから出すようにお願い致します。

むやみやたらに燃えるゴミ等に分別せずに出した場合にゴミ回収車や、ゴミ処理場での火事の原因になってしまいますので間違った処理をしないようにして下さい。

また、バッテリーの処分は販売業者に義務がありますが、いざ不必要になったバッテリーを持って行っても購入時のレシートが必要な事が多いようです。

リチウムイオンバッテリについての動画です。

リチウムイオンバッテリについての動画がありましたので御紹介致します。

 

まとめ

最後にまとめです。

こんかいはリチウムイオン電池についてご説明しました。

色んな製品で使用されてるリチウムイオン電池です。

優れたバッテリーですが保管・充電方法によって多少寿命が違ってきます。

温度の高い場所に長時間さらすとバッテリー容量が減るというのも勉強になりました。

少しでも長く大事に使ってみたいですよね?

一部電動工具はニカド電池を使用している工具もございます。

どのような商品もメリットデメリットがあるので購入する場合は、商品のスペックや特徴を理解したうえで、どちらを選ぶか選択してください。

ちょっと堅苦し記事になりましたが参考にしていただければ幸いです。

日下が記事の掲載を担当しました。