おーいっ!日下っ!そこにある角材を丸ノコで3等分に切ってくれる?
・・・・・・(・・;)
どうした?
社長・・・じつは、何日かまえに丸ノコを使ってたら、ちょっと怖い目にあいまして・・・・なんというか・・・「ガンッ」と物凄い音がして丸ノコが跳ね返ってきたんです。
はぁ?
そっ、それから・・・こわくて扱えないです。
どこで、切ってたの?
いや・・・(汗)普通にここに木を2本おいて・・・その上に角材をちょうど下の図みたいな感じで・・・(汗)
ちょっと待った! いつもスタイロフォーム上で切れっていってるだろう?そりゃあ、キックバックって言うんだよ。
おまえ、大けがするぞっ!怪我なかったの?
怪我は、大丈夫だったんですけど・・すげービビりました!(汗)それから怖くって(汗)丸ノコが使えないです!あっしは、ビビりなんで・・・
おまえ、ちょっと慣れたから、油断してたろう?丸ノコはキックバックの事をよく理解して使わないとあぶないぞっ・・・亡くなった人だっているんだよ!
そっ、そうなんですか?( ;∀;)
そうだよ!なれたころが一番あぶないんだよ!だから最初に言ったろう?
- 真っすぐにきれ!
- 丸ノコの後ろに立つな!
- 余計な刃をだすな!
- 切れない刃できるな!
- 慌てて切るな!
- 座って切るな!
- 馬を敷いて切れ!
- 切断音に注意しろ!
- 回転数を上げてから切りはじめろ!
覚えてない?
すっ・・すみません!( ;∀;)わすれてました。
まぁ、怪我がなかったのは何よりだけど・・・丸ノコは危険度ナンバーワンの電動工具なんだよ。
脅す訳じゃないけど・・・キックバックの事を、しっかり勉強して使わないと大けがするよ!
いいかい、きょうは
- どうしてキックバックがおきるのか?
- キックバックの対策
以上の2点を日下が勉強して詳しく解説してくれる?
キックバックは、原因と対策をしっかり勉強すれば未然に防ぐことができるんだよ。
これが、わかれば丸ノコを怖がる必要はない!
危険度が高い丸ノコも安全に使えるんだ。
承知いたしました!こんかいは、キックバックを取り上げます。
キックバックが怖い方に、キックバックを防ぐ方法もあわせて解説します。
社長、足りないとこはご教授ください。
丸ノコのキックバックとは?
【丸ノコの刃が自分に向かってくる現象です】
つまり、ノコ刃が木材に挟まり負荷に耐えられず反動で、進行方向と逆にバックすることです。
キックバックがどのような原因で起こるのかを知っていれば危険を回避することもできます。
初心者の方、女性でも安心して使うことができるのです。
キックバックは、なぜ起こるのか?キックバックの原因を解説
そもそも・・・キックバックが、なぜ起こるのでしょうか?
キックバックが起こる主な原因は次の通りです。
- 無理に進行方向をまげてしまう
- 極端に反った木材を切断する
- 木材の垂れ下がりにより刃を挟んでしまう
- 切れないチップソー(ノコ刃)を使って切断する
以上の4つを詳しく解説していきます。
原因を理解すれば90%キックバックを防ぐことができます。
無理に進行方向をまげてしまう
丸ノコは木材を真っすぐに切る電動工具です。
無理に切断中に進行方向を曲げたりすると、刃が資材に挟まってキックバックが発生します。
進行方向を途中から曲げてしまうと、チップソーにストレスがかかります。
極端に反った木材を切断する
極端に曲がった木材を切るときに、刃が木材に挟まりキックバックが発生しやすくなります。
板は反るものだと考えてください。
薄い板は反りやすく、幅が広い板も反りやすくなります。
反った側を上に向けて切るようにしましょう!
極端に反った木や板は、雑巾で表面を拭いて濡らした部分を下向きにして20~30分放置すると改善されます。
凹んでる面を雑巾で拭いてください。
節目がある場合も、注意してくださいね!
節目と周辺は非常に堅くなってます。
節目を避けて切断することをおすすめしますが、どうしても節目を切る場合は、ゆっくり切ってください。
木材の垂れ下がりにより刃を挟む現象
キックバックで一番多い現象です。
木材を切断しているときに、切終わりで起こるのがこの現象です。
切終わりは特に注意が必要です。
これが一番キックバックで多い現象なんだよ!日下が体験したキックバックは、これだね!
そっそうです!これです・・・・怖かったです。
これはね、分厚い木や堅い木を切るときに、おきるキックバックなんだ。
分厚い木を切るときは、刃を最大限に出して切るから反動も大きいんだよ。
え?どうして刃を最大限にだすと反動が大きくなるんですか?
ん~簡単に言えば、木材と刃の接触面が大きいと反動が大きくなるってこと!
なるほど!これから余計は刃は出さないで切ります。(汗)
切れないチップソーを使って切断する
【木材を切ったとき、煙がでたり焦げがついてたりすると要注意です!】
丸ノコが、前に進まなくなったときも注意してください。
チップソーの交換時期です。
モーターに負担がかかるばかりでなく、キックバックの原因となるので、すぐに交換してください。
- よく切れるチップソーを使う
- チップソーのメンテを定期的におこなう
以上2点を実行してくださいね!
別ページで、おすすめのチップソーとチップソーのメンテナンスについて詳しく解説してます。
あわせて、読んでください!
【大工さんが教えるDIY】動画でキックバックを解説してくれています
大工さん、すごく分かりやすく解説してくれてます。
さすがプロですね!
これは、有料でもみたいレベルです。
7:18からキックバックを解説してくれてます。
手持ち式丸ノコのキックバック対策
キックバックの原因はお分かりいただけたと思います。
次に、キックバックを防ぐポイントを9つまとめてみました。
- 真っすぐに切る
- 丸ノコの後ろに立たない
- 余計な刃は出さない
- 切れないチップソーで木材を切らない
- 切断スピードを落とす
- 座って切らない
- 馬を敷く
- 切断音の変化と前に進まなくなったら注意する
- 切りはじめに、回転数を上げて切断する
初心者の方は、9つのポイントを押さえるだけでキックバック対策ができます。
では、ステップ1から解説します。
ステップ1 真っすぐに切る
基本は、真っすぐに切ること!
丸ノコは、真っすぐに切れてないと負荷がかかり前に進まなくなります。
前に進まなくなったら進行方向が歪んでないか確認しましょう!
定規を使用すれば、真っすぐに切ることができます。
キックバックの反動は前にきませんが、木材の切れ端などが飛んでくる場合もあります。
切断中に前に立つのも危険なので避けてください。
ステップ2 丸ノコの後ろに立たない
丸ノコの使用時には真後ろに立たないように心掛け、同じく真後ろに足がこないようにしてください。
キックバックをしたとき、丸ノコは後ろに跳ね返ります。
絶対に覚えてください!
もし、キックバックが発生した場合に、半身になってればケガをすることはありません。
下の写真のような姿勢で切ってくださいね!
半身になって切るっ!基本中の基本だね!もし、キックバックしても怪我をする確率が減るから、日下君もおぼえてね!右足を引いて半身できる!
わかりました!夢中になると、つい忘れてるんですよね!半身で切るってことを・・・・(汗)
ステップ3 余計な刃は出さない
刃を余計に出して切断作業をすることは大変危険です。
余計な刃を出していると、大事な作業台まで切ってしまう事もあるかもしれません。
切断作業に入る前に絶対に刃の確認はしてください。
刃は切断する木材よりも2mm~5mm位出すようにします。
ステップ4 切れないチップソーで木材を切らない
切れないチップソーで木材を切ることもキックバックの原因となります。
切断の途中に煙が出たり、切断面をみると焦げ目がついてたりするとチップソーの交換時期です。
以前より、切れなくなったと感じたらチップソーの交換を考えてください。
あわせてカットした木材を確認し、焦げ目などがないか確認しましょう。
とくに、初心者の方は慣れるまで堅い木を切らない方がいいかもしれません。
堅い木材を切るときには、絶対に切れないチップソーで無理をして切らないようにしてください。
針葉樹「ヒノキ・杉・パインなど」
- 柔らかく軽量
- 加工しやすい
- 肌触りが良く、香りが残る
杉やパインなどは非常に柔らかい木材です。
加工もしやすく、価格も安いものがあるので初心者の方は、針葉樹がおすすめです。
広葉樹「ナラ(オーク材)・ブナ(ビーチ)・ケヤキ・ウォールナット・チーク・マホガニーなど」
- 硬く重い
- 強度があり傷がつきにくい
- 揺れに強い
価格も、高い物が多く加工がしにくい物もあります。
なれるまでは、使わない方がいいかもしれません。
ステップ5 切断スピードを落とす!
丸ノコを使うときに、進行スピードが速すぎるとキックバックの原因となります。
無理をして、はやく丸ノコを進めると大変危険です。
ゆっくりと、そして適切なスピードで丸ノコを進めてください。
ステップ6 座って切らない
木材を切る際は、必ず腰の高さで切ることを心がけましょう。
間違っても座ったままで切らないでくださいね!
座って切るとキックバックが起こったときに、足の逃げ場がなくなります。
片膝をたてた状態だと、丸ノコが飛んできたときに、足が避けにくくなるという事です。
死亡事例があったのも、座ったままで丸ノコを使用していたときに起こった事故です。
必ず立った状態で丸ノコを使用してください。
危険な丸ノコの使い方
youtubeで、ちょっと危なっかしい動画を見つけました。
年配のお父さんが、絶対にやってはいけない丸ノコの使い方を実践してくれてます。(苦笑)
参考にしてほしいのは、
- 足の位置
- 手の位置
この二つは、お父さんのやり方で絶対やってはいけません。
ステップ7 馬を敷く!
馬とは?
切断する木材に敷板を置くことです。
置き方に注意が必要なので図解で確認してください。
切断したあとに、木材が傾かないようにしてください。
図解のように4本の木を置くと真ん中を切断しても、木が中心に傾くことはありません。
スタイロフォームを置く
スタイロフォームってなんでしょうか?
ホムセンにいくと厚い発泡スチロールの板を見たことがありませんか?
住宅の断熱材に使うものです。
価格は3×6尺のもので、1300円くらいで売ってます。
これを下敷きとして置けばマルノコの刃が木材に挟まるという事がほとんどありません。
木材の面が全てスタイロフォームと接触してるので切断面が垂れ下がることがなくなります。
これが一番おすすめの方法だね!
はいっ!これが一番簡単です!
ステップ8 切断音の変化と前に進まなくなったら注意する
丸ノコは真っすぐに木材を切ってるときは抵抗なく前に進みます。
逆に言えば、進まなくなったときは、真っすぐに切れてないということです。
スムーズに丸ノコがすすまなくなったら?
- 真っすぐに切れてない
- 木の癖がある
- 木の節などがある
以上の原因で、丸ノコに負荷がかかり切断音が高くなります。
切断音に変化があったらキックバックになることを想定して木材を切りましょう。
わたしは、これで判断してます!
そうだね、なれてくると音の変化が分かるようになったでしょう?
わかります!わかります!
丸ノコを使い慣れてくると「あれ?キックバックしそうだな?」って瞬間がわかってきます。
切ってるときに急に音が高くなって丸ノコが進まなくなります。
つまり、丸ノコの刃にストレスがかかってるので重く感じるのです。
同時に、音もスムーズに切れてるときと違ってきます。
二つの条件が重なったら一度丸ノコを止めてみてください。
止めたら、まっすぐに切れているか?
又は、木材に敷いてある馬などがズレていないか再確認しましょう。
ステップ9 回転数を上げて切断をする
「丸ノコのスイッチを入れるときに注意!」
木材を切り始めるときに、丸ノコの刃を木材に付けたままスイッチを入れるとモーターに負荷がかかり、丸ノコが反動で後ろに跳ね返ります。
とくに、コード式100Vや18V以上のパワーがある丸ノコ・刃の径が大きなマルノコは注意が必要です。
マルノコで木材を切るときは、必ず回転数を上げてからカットするようにしてください。
それでもキックバックが怖い人はキックバック対策の丸ノコを使ってみる!
初心者の方で、どうしてもキックバックが怖い方は、
- キックバック軽減機能搭載丸ノコ
- 卓上丸ノコ
を買う選択肢もあります。
ハイコーキのプロ用充電式丸ノコはキックバック軽減機能が付いてるのでおすすめです。
通常の丸ノコより怪我の確率が少なくなります。
ただし、キックバック軽減機能がついた丸ノコは100%キックバックを防げるわけではありません。
キックバックが起こった場合に、モーターが緊急停止するように作られている丸ノコです。
ここで、わたしから初心者の方にアドバイスです。
キックバックが怖い方は、刃径125mmの丸ノコを選んでくださいね!
軽くてサイズが小さい丸ノコは、キックバックしたときの反動が少なくなります。
↓キックバック軽減機能がついた丸ノコを別ページで紹介してます。↓
卓上丸ノコの購入を考える
卓上丸ノコは安全性が高い丸ノコです。
少しお値段はあがりますが、初心者の方にはオススメです。
安全面を考えるなら、さいしょにスライド丸ノコを購入するのもありだと思います。
むしろ、キックバックが怖い方にはスライド丸ノコがおすすめです。
別ページで卓上丸ノコを詳しく紹介しています。
マルノコを使う前に安全確認を
電動工具は作業に入るまでコンセントを入れないようにして下さい。
場合によってはマルノコを持った際にスイッチにふれて動き出してしまう事もあります。
刃の点検や交換時にはマルノコが動かないようにコンセントは抜いて、バッテリーは外して下さい。
丸ノコを使う作業場の確認
安定していない作業場でマルノコを使用するのは大変危険です。
そのような作業場で、誤ってバランスを崩してしまったら大事故になってしまいます。
安定した作業場を確保してから丸ノコは使用してください。
私が気をつけていること
私は電動工具を使用する時に、以下の事を気を付けております。
- 体の正面では絶対に使用しない(キックバックが発生しても資材は体に飛んでこないです)
- 服の袖をまくる(袖が巻き込まれて事故につながるのを防ぐ為)
- 手袋は使用しない(こちらも巻き込まれるのを防ぐ為)
- 他人には手伝いをさせない(無用な事故を防ぐ為)
- 体調が少しでも悪い時には使用しない(判断が鈍り事故につながる恐れがある為)
補足ですが、丸ノコを交換した際に刃を逆につけないでくださいね!
丸ノコに限らず電動工具の使用の際には気を緩めない
重大事故は、プロが多い?!
プロの方は、使用頻度も多いので事故の確率も上がるのは当然です。
ですが、なれた方でも無理な使い方や性能を超えた作業を行うと事故につながります。
丸ノコだけではありませんが、電動工具を使用する際には気を緩めないでくださいね。
電動工具の使用に慣れてきた時が一番事故が多いみたいです。
慣れてくると、人間ですので油断が生じます。
その油断が大きな事故と怪我につながります。
まとめ
キックバックは、基本を守って使えば必要以上に怖がる必要はありません。
ですが、慣れてきた時が一番危ないです。
- 真っすぐに切る
- 丸ノコの後ろに立たない
- 余計な刃は出さない
- 切れないチップソーで木材を切らない
- 切断スピードを落とす
- 座って切らない
- 馬を敷く
- 切断音の変化と前に進まなくなったら注意する
- 切りはじめに、回転数を上げて切断する
以上の事を守って使ってくださいね!
丸ノコは、木工作業でどうしても必要になる電動工具です。
木材を「キレイに速く」切る電動工具は丸ノコをおいて他にはありません。
便利な道具を使う前に、こんかい紹介した対策を参考にしてください!